日輪の遺産
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2000/04/07
- メディア: 文庫
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浅田次郎さんの終戦モノ。シエラザードと雰囲気はかぶるけどシエラザードと同じくらい面白かった。
現代と当時の話が並行する宝探し物語。
主人公(なのかな?)の丹羽は自分の住宅販売会社が倒産寸前でまさに年内の資金繰りのために競馬で最後のばくちを、と大穴狙いの馬券を買おうとしたところ、一人の老人、真柴と競馬場で偶然居合わせて、彼から手帳を遺された(そして老人はもう思い残すことはないという感じでなくなってしまった)。その手帳が語るのは彼が軍人時代最後の任務として携わった、日本の戦後復興の財源になるはずの隠された財宝についてだった。
その手帳をめぐっての丹羽たちの現代のストーリーと、真柴の時代の任務遂行のストーリーと、それぞれの人間模様のドラマが2本立てで繰り広げられ、謎もだんだん明らかに、、、。明るい話ではないけれど、ワクワク読み進めました。なんだかこういう歴史もの風の作品を読んでいるとフィクションなのかノンフィクションなのか、分からなくなっちゃうんだよねー。ボリュームもちょうどよくてお薦めです。それに、近々、映画化されるらしいぞーー。
山小屋で会いましょう
- 作者: 鈴木みき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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鈴木みきさん、好きだなー、、、、。マンガかわいいし、「分かるっ」「くぅー」って感じ。最近は人気があって、登場するフィールドが広がっているし(このシリーズも4作目だし)連載とか取材モデルとか忙しそうだけど、でも山に行き始めたころの「感動」をこの人ぜんぜん忘れてないっていうか、いつも新鮮、というか、自分がいいと思うものを周りの人にも教えてあげたいっ!て気持ちがあふれてる。
でもって、でも仙人みたいに山にこもっている訳じゃなくて、お酒も好きだし、おしゃれだし、素敵なグッズに目がないし、山小屋でずっとバイトしてたり体力もあってけっこうベテランだとおもうけど、いつでも素人目線で楽しそうなところがサイコーです。
あぁお友達になりたいなぁ。
人生がときめく片づけの魔法
- 作者: 近藤麻理恵
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2010/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「片づけでやるべきことは大きく分けて、たった2つしかありません。「モノを捨てるかどうか見極めること」と「モノの定位置を決めること」。この2つができれば、片づけは誰でも完璧にできるのです。
とのことです。できれば苦労しませんが。
「断捨離」に始まる片づけブーム、、雑誌の特集を読んだり、やっぱり気になるテーマではあるんだけどね。
いちど完璧に片づけたらもうリバンウドはしないらしいんだけど、、、。いやーーーやっぱ無理―。部分部分参考にできる部分はあるけどね。
モノを捨てるのにどうしても後ろめたい気持ちになる。買った時の気持ちとか、気に入らなかったり、使い勝手がよくなくても新しいからもったいない、とか、痩せたら着るだろう、とかまたはやるかもしれない、とか、、、。
そういう気持ちに「捨てていいんだ」という大義名分というか正当性を与えてくれるのは助かる。。
あと、家じゅうのおんなじカテゴリーのものをひとところに集めて山にして一つ一つ手に取ってみる、、、これは持っているものの多さに愕然としたり、同じものがないか、持っているものを忘れているものがないか思い出すチャンス。
「実家にもっていかない」とか「人にあげない」とか、心当たりあるところを突いてくる。。
ちょっとずつ片づけるのではなくお祭りのように一気に、、というのもね。
きっとこの本の読者がまず手をつける「洋服」分野だけ私もやってみた。すごいね、いつも同じもの着ている気がするのにこの大きな山!!ふぅーーー。読んだ通りにやってみたけど、「いつか着るかも」という気持ちを断ちきれない。。少しはすっきりしたけど、「完璧」にはできないなぁ。
でも、本に書いてるようにお部屋がなっちゃったら、落ち着かないかもーーーと思う。片付いてから考えればいいのよね(笑)。
風に舞い上がるビニールシート
- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/04/10
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『大切ななにかのために懸命に生きる人たちの、6つの物語』、だそうです。それぞれ全く違うシチュエーションと登場人物、結末も様々、でもどれも胸がギュッとなりました。1つ目の「器を探して」、大好きなもののために自分は裏方に回って、振り回されながらも懸命に働く弥生、恋人と仕事どちらをとるか、というありがちな選択を迫られ、、、で、文字通り、ブツッと(言葉は悪いが)「キレた、、、」んだけど、キレて、どうなったか描かれず、ブツッ、、、と話も終わるので、ものすごい怖い、、、。こんな話ばかりなのかとちょっと怖くなったけど、次の「犬の散歩」では恵利子をとりまく人々にほろっとさせられる、最後に報われる話で。「守護神」は実は文学青年の夜間大学生が、学内で有名な(でも謎の)女性にレポートの代筆を頼みに行くという設定も結末も痛快だし、、、「ジェネレーションX」は通販の企画の主人公と扱う商品の会社の若手営業マンとがクレーム客に謝りに行く車で、若手営業マンが携帯で友人と話す行為に最初は辟易しながらもだんだん彼のバックグラウンドや人柄を理解して展開していくというロードムービーみたいな形で(これが一番好きだったな)。もちろん表題作もしかり。
長さもちょうどいいので旅行バックに入れていく本としてお薦めっ!という感じデス。
夢をかなえるゾウ
- 作者: 水野敬也
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2007/08/11
- メディア: 単行本
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一時一世を風靡しましたよね。しかし、今読むと、新鮮さがなく、ちょっとありきたり。
自己啓発本が好きでない、ということもあり。
ただ、読んで耳が痛い文章は多かった・・・(今現在仕事やめてのんびりしてる身でもあるしね)。
ガネーシャというゾウの姿をしたインドの神様(なぜか関西弁を話す)が、「今までの自分から変わりたい、仕事で成功したい」と思っている主人公に毎日課題をだすのだが、途中で読者(私たち)に対して「あなたは、これまでの『ガネーシャの教え』を実行に移したでしょうか。もしかしたら、課題を実行せずに、ここまで一気に読んでしまった人もいるかもしれません・・・」という挿入が・・・
私じゃん(苦笑)
ま、いいとして、いろんな人がいるし感じてることも違うし、目指してるものもちがうし、何をしたいのかが分からない人も多い、ただ、「何かが違う」と思ってるひとが何かに気づくきっかけになるヒントがあるんでしょうね、こういう本には。(だから流して読むのはもったいないよね、この本に限らず)。ただし、「期待しているうちは人は変われない」(←つまりこの本を読んだらそれだけで視界が開けるとか)と、「考えているうちは変われない」と。なるほどね。
「なにかを始めたらあきらめないで最後までがんばる」とかよく聞くけど、始めたらあきらめずにやる、、ということがプレッシャーになるから足を踏み出せないという人がほとんどだと思う。「あきらめてもいいんやで」とガネーシャは言う「自分がその作業に没頭してもそれを誰も喜ばなかったらサービスにならない」「仕事で成功する」ことではないことに幸せを求める人もいるしひとそれぞれ」。。まあね。結局そうなるね。
TUGUMIつぐみ
- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1989/03/01
- メディア: 単行本
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この二人をとりまく物語。
どうしてウチに吉本ばなながわりとたくさんあるのか、この小説を読み返して分かりました。
めちゃくちゃ好きなタイプの小説でした。たぶん、これが最初で続けていろいろ読んだのでしょう(そしてフェードアウト・・・)。
なにしろ文章が、表現がきれい、だったり「ピンっ」ときたり、優しい感じです。つぐみの乱暴さはキョウレツだけど。
たとえば好きなフレーズ、、、、。
「『やさしさ』が陽に透けて落とした花びらのシルエットのような陽子ちゃんの人柄について・・」(陽子というのはつぐみの姉)
「顔を見てると手に持ってるソフトクリームとかをぐりぐりってなすりつけてやりたくなるくらい好きなんだ」(ボーイフレンドの恭一についてのつぐみのコメント)
「おまえは本当に、どうしてそんなにマヌケなのに、きちんとした大きさで物事を測れるのでしょう。不思議でなりません。」(つぐみがまりあにあてた手紙のなか)
そして登場人物がそんなつぐみをいつくしんで、愛しく思っている様子が丁寧に書かれてて、泣ける。
潮風がふく海辺の町の景色とか、音とか、きらきらと映像になる感じ。シンプルに、あんまりひねらないで書かれているからかな?
最後は久しぶりに本読んで泣きました・・・あぁ、私って単純。。。
映画(1980年!)は見てないけど、牧瀬理穂が主演、そういえば大学の学園祭のイベントに出演してたな、そういう年代、まりあが中嶋朋子、うんうん。恭一が、、、、真田広之っ???上過ぎないか???
とかげ
- 作者: 吉本ばなな
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/05/29
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1つ目の「新婚さん」、どうやら電車の中吊小説だったとのことで電車の車両のなかが舞台なのですが、これが一番好きでした。主人公が奥さんが待つ家に帰りたくなくて、乗り越す、どうして帰りたくないのか、、。ガラガラの車両なのに横にぴたっとくっついて座ったホームレス風の男が心の中をお見通しで語りかけます。。「分かるぅーー」という感じですが、少しぞっとします、、、。