日輪の遺産

日輪の遺産  浅田次郎

日輪の遺産 (徳間文庫)

日輪の遺産 (徳間文庫)

浅田次郎さんの終戦モノ。シエラザードと雰囲気はかぶるけどシエラザードと同じくらい面白かった。
現代と当時の話が並行する宝探し物語。
主人公(なのかな?)の丹羽は自分の住宅販売会社が倒産寸前でまさに年内の資金繰りのために競馬で最後のばくちを、と大穴狙いの馬券を買おうとしたところ、一人の老人、真柴と競馬場で偶然居合わせて、彼から手帳を遺された(そして老人はもう思い残すことはないという感じでなくなってしまった)。その手帳が語るのは彼が軍人時代最後の任務として携わった、日本の戦後復興の財源になるはずの隠された財宝についてだった。
その手帳をめぐっての丹羽たちの現代のストーリーと、真柴の時代の任務遂行のストーリーと、それぞれの人間模様のドラマが2本立てで繰り広げられ、謎もだんだん明らかに、、、。明るい話ではないけれど、ワクワク読み進めました。なんだかこういう歴史もの風の作品を読んでいるとフィクションなのかノンフィクションなのか、分からなくなっちゃうんだよねー。ボリュームもちょうどよくてお薦めです。それに、近々、映画化されるらしいぞーー。