下流の宴

下流の宴」 林 真理子

下流の宴

下流の宴

NHKでドラマが始まって、「読んでみようかな」と思って図書館に行ったけど区内の図書館で全部で100人位待ってる!!まぁ、いいや、と予約していたら忘れたころに順番がきた。2か月以上待った。忘れてたからいいけど。結局ドラマも観なかったし。
林真理子ってこういうの書かせるとホントうまい、、、好みは分かれるとおもうが。でも一気読みしたってことは面白かったということ。
主人公は福原 由美子、専業主婦。自分は国立大卒、父親は医者、旦那も有名大学出てそこそこの企業に勤めている。今一番の問題は、息子の翔、二十歳が高校をドロップアウト後、いまだにフリーターで、バイトはちゃんとやってるけど上昇志向もなく、もめごとは避けたがり、物欲もなにもないこと。その息子をなだめすかしたり恫喝したりしてなんとか大検でも受けて、由美子の思う「まっとう」な道に戻したいのだが思うように行かない。おまけに、沖縄の離島出のやはりアルバイトの女の子玉緒と同棲し、結婚すると言い出す。この玉緒の実家が由美子としては「ありえない」、あまりにも違った世界なので想像もできないのだ。
由美子の家と、玉緒の家、あまりにも価値観が違いすぎてものすごいバトルが繰り広げられる、、、その中で特に由美子の不愉快なくらい「失礼極まりない」発言とかわいそうなくらいのプライドと、情けない息子と(性格優しいしとてもいい子なんだけど、、)あと玉緒の方の母親のいうことは豪快だし説得力があるし、環境は違いすぎるけど。そういう少しオーバーだけどその辺にありそうなリアルな話。で、また翔の姉の可奈がまた、「いるいる」という感じのしたたかな子で、、、彼女がまた面白くって(でも読んでてかわいそうになっちゃうんだけど)。そしていろいろすったもんだあって由美子が玉緒に私たちとあなたたちと住む世界が違うとかそういうことがんがんいうもんだから玉緒がキレて、「私が医者になったら私のこと認めて謝るか!」とタンカを切る、、。(→この後の受験勉強の下りが結構私は好きだったなぁ、、協力してくれるいろいろな人が面白くて。)
最終的には誰も独り勝ちはしないんですけどね。軽いけど辛口の娯楽小説です。
余談だけど林真理子のブログをよく読んでいるんだけどこの人がこんな流行小説をがんがん書く人なの?と信じられなくなるくらい面白くない(苦笑;)職業柄仕方ないんだろうが、接待か打ち合わせかで行く超高級レストランとか、人気のスイーツとか、ブランド服とか、、でも、食べてばっかりなので(もちろん仕事のストレスもあるだろうが)翌日には「ダイエット―!!!!」と叫んで加圧トレーニングのサロンに行ったりサプリを買ってきたり、、でも翌日は、美食がテーマ。
面白くないと思いつつ読んじゃうんですけど(苦笑X2)。
いろいろ書いちゃいましたが人気作家で才能があるのは事実でしょう。林真理子の小説で大好きなのは「葡萄が目にしみる」「本を読む女」です。