その日の前に 重松 清

その日のまえに (文春文庫)

その日のまえに (文春文庫)

今、フジテレビの木曜のドラマ「風のガーデン」、かなりはまって観ています。
偶然、「風のガーデン」のテーマも、この短編集も同じ。

死期を宣告された本人、その家族、友人、それぞれが主人公の小さな物語の短編集。
それぞれがどう死に向き合うか、受け入れるか、あきらめ、後悔、残された短い日に何を考え、何をするか。
テーマは重いけれど、明るく、きらきらと、すきとおるように人と人との関係が描かれていると思う。
この作家の物語からは、人に対する尊敬と崇拝が感じられる、、。
温かい読後感と、すこしの傷、やっぱりぼーっと考える時間を読者に残すなー。

最初の話「ひこうき雲」、クラスの嫌われ者だった女の子が重い病気で入院してしまう。
クラスの皆で色紙を書くことになるが、いきなり優しい言葉を書いてもなんだかしらじらしく、
でも何も書かないわけにいかないし、イラストを描いたり、、、
そしてその描いてしまった絵のことが、大人になってもずっと心から離れない美代子、、、。
母ひとり、子一人の母、自分がガンを宣告され、それをどうやって一人残されることになろう息子に伝えるか、、(「ヒアカムスザサン」)。
これが一番面白かったかな。

で、またかぁと思ったてしまったのは、短編のそれぞれがさりげなくつながっているところ、、、。
(執筆、出版の順に読んでいるわけではないから、たまたま私が片っぱしから読んだのがたまたまそうなってしまったんだろう)。
これも、映画化?されるみたいだし、、。ちょっぴり食傷気味、、って言いすぎ、それでも読んでない作品がまだあるから手にとってしまっているのです、、、。

最近、感想文になってないなーとつくづく思う。
ただ、読んだという記録だけでも残しておくことに意義を見出そう。。。