四十回のまばたき  重松 清

四十回のまばたき (幻冬舎文庫)

四十回のまばたき (幻冬舎文庫)

不思議な人間関係の話。
暮らしや気持ちの均衡、バランスがとれていた、というより本能で取っていた売れない翻訳家の圭司は、事務的なことや、家事は得意だが、感情を表に出すことが下手だ。妻を交通事故で亡し、義理の妹と同居することになり、(またその妹が寒くなると冬眠する、という病気を持っており、いまにも崩れ落ちそうなアンバランスさをはらんでいる)、そして自分が翻訳したアメリカ人作家との出会い、(このアメリカ人作家というのが粗暴で、ジャングルからでてきたんじゃないか、というくらい獣っぽい、焼酎が大好きで、、)彼によっていつのまにか解き放たれて素直に涙を流せるようになったり、、。
そして、小説の冒頭の書き出しで話は終わる、、、。完結しているようなしていないような。結論も出ていないし、そろそろクライマックスか?もうすぐ坂の頂上で向こう側が見えるかな、というちょっと手前で、、、。
引き込まれて読んだけど、面白かったのか、そうでなかったのか、、?。