間宮兄弟 江國 香織

間宮兄弟 (小学館文庫)

間宮兄弟 (小学館文庫)

ドランクドラゴンの塚地と佐々木蔵之介が主演の映画を先に見てしまい、文庫になったら小説も読もうと待ってました。
久しぶりに江國香織読みましたけど、んー、、私はこれ好きです。
さめていて、壊れそうな、ちょっと外から自分や世の中を見ている、女性が主人公の小説が多かったようなイメージだったのですが、
これは「子供の心をもったまま大人になって、なにが悪い!」、、と、口に出しては言えないけど、そういう風に生きている純粋な心をもった兄弟が主人公の物語。
決して女性にもてないんだけど、、きっとおじいちゃんになるまで2人で暮らしていくんだろうけど、
でも周りの女性をいつの間にか癒している。「こういうのが男らしい」という先入観とか「こいつら、きもい」という観念から解放されたとき、
周りの人もこの2人の良さが分かるんだ。
映画では、2人の住む部屋、の雰囲気が、よく出てたな〜、、と本を読んでさらに思いました。
ホントにcozy cornerという感じです。好きなもの、趣味のものに囲まれていて、清潔で、居心地がよさそう。
で本を読んだらさらに、二人の生活の愉しみ方、たとえば、「今日は一日中本を読む日」と決めて、その日は掃除や洗濯はしない、食事はつくらないで、出前を取ったり外食をしたりするとか、、、そして読んだ本の感想を述べ合ったり、あとスコアブックをつけながらプロ野球中継を見たり、
そういうところの細かいところが、いい感じです。
周りの女性たちをほんわか癒してる、、でも二人も恋をして、そして、かなり、でも静かに傷ついている、、。ちょっぴり切ないお話です。