プリズンホテル 浅田 次郎

プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫)

プリズンホテル 1 夏 (集英社文庫)

プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)

プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)

奥湯本あじさいホテル、人呼んでプリズンホテル。
しっとりとした、ひなびた感じの名前の温泉ホテルの経営者は、なんとなんと「その筋」の大物だった。
そして、その「大物」とは、主人公の作家、木戸孝之介のおじだった。。
そのホテルの従業員は、もちろん、その筋の者たち。
このホテルに赴任させられた、有名シェフと、運のない支配人、しかし、彼らはその「大物」から実はスカウトされていて、ここにたどり着くようにしむけられていた。
客もまた、、。
時々、何もしらない「フツー」な客がまぎれてやってくる。
そんな登場人物達がそんなありえないホテルを舞台に繰り広げる、ドタバタ劇。

なにしろ、設定がかっとんでいて面白いぃ!「ありえねー」って感じがいい。
ホテルの従業員達がホント可笑しくて、なんだか、漫画みたい。任侠もののドラマか、漫画。漫画にした主人公の孝之介や、仲おじ、番頭の黒田とか、支配人とか、イメージすると、、「こち亀」風かな。出てくる人たちがみんな、オーバーで、、、。そして任侠ものの専門用語っていうか、いいまわしっていうか、そういうのの勉強(なぜ勉強?)になるかも。
ギャグみたいでかなり笑えるけど、それぞれの人の性格とか、バックグラウンドがよく練ってあって、イヤなヤツでも(例えば暴力的な孝之介)憎めない。
支配人の息子がバカでぐれてるけど実は素直で黒田のに鍛えられるのも面白い。
やっぱり設定と、登場人物で、決まりですね。あ、でも言葉とか、乱暴だし、あんまし子供にはおすすめできない、、、。
2巻目は、ホテルになんと警察の慰安旅行の団体がやってくる、、、。指名手配中の強盗事件の犯人も、、、。あぁ、ほんとにあったら、ちょー怖い、このホテル。でも読んでいると、なんだかやくざの方達のほうが、カタギの方達より良い人にみえてくる、、。やっぱり、義理人情にアツいからかな。礼儀正しいし(へんな礼儀だけどね)。
ま、、2巻くらいでいいかなーーと思いました。面白いんだけど、あまりにもドタバタで、疲れて来た、、、。また、気が向いたら、3、4巻も読んでみようと思います。