氷点(上下巻)

氷点 (上) (角川文庫 (5025))

氷点 (上) (角川文庫 (5025))

氷点 (下) (角川文庫)

氷点 (下) (角川文庫)

石原さとみが陽子役で最近やってたドラマ、見逃したんだよね、、あぁ、みたかった。
だって、ぴったりじゃん、イメージ。夏枝役が飯島直子。うー、いいかも。
ずいぶん昔に読んだので細かいところ忘れてしまったので文庫買って来て読んだ。
あれ、こんな昼メロみたいな小説だったっけ、、、。
でもでも小説としてやっぱり面白い。地位も名誉もお金もある医者の啓造、幼い娘が事件に巻き込まれて殺されてしまう、その時に妻の夏枝が浮気をしていたという疑念、でもそれを妻に問いただすこともできず、裏切られたという気持ちに呪縛され、娘を殺した犯人の子供を、素性を隠したまま引き取り育てる、、真実を知りつつ、一つ屋根の下に暮らすのも、罰を与えてられているように苦しいものだろうが、それを夏枝が、陽子自身が知ったとき、どのようなドラマが起こりうるか、、、。ひゃー。でもでもさらにどんでん返しが。。。
陽子のけなげさだったり、夏枝が、継子の陽子をいじめたり、嫉妬したり、兄の徹の陽子に対する愛とか、云々、、ホント、ドラマの流れは昼メロです。
でもこれだけベストセラーとして長い間読まれているわけだから、やっぱり深いわけで、心にぐっとくる言葉とか、随所にあるわけです、、テーマになっている「原罪」、自分は決して悪いことはしていなくても、その「悪いこと」とは、たとえば法に触れること、とか、人を傷つけること、とか、そういうことをしていなくても、こころのなかで良心に反することを思ってしまったり、人の不幸を実は喜ぶ自分がいたり、自分が悪くなくても、自分の存在自体が、周りの人を傷つけていたり、考えさせられます。
でも、やっぱりメロドラマだなあ、、「続」は読んでないので読まなきゃ。

三浦綾子は、私は「塩狩峠」だと思います。氷点は俗っぽいけど、こちらは崇高な感じ?
これは、ほんと、号泣ものです。
私はクリスチャンではないけど、信仰や、信念ってすごいと思うし。
でもやりきれない悲劇です。この小説は。