窓際のトットちゃん

窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)

窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)

小学生のころ、うちには図書館から借りてきた本がいつもたくさんあった。最寄の駅から3コ目の駅に大きな図書館があり、私も行ったが、ほとんどが母親が2週間に1度くらい行って借りてきていた。うちの家族4人分の貸し出しカードがあり、1人3冊まで借りられたので母親は最大12冊をいっぺんに借りて担いで帰ってきていた。図書館の子供の本をかたっぱしから借りてきたって感じだったような気がする。外で遊ぶ友達がいなかったりすると部屋で寝転がってよく読んでいた。さすがに全部は読みきれなかったような気がするけど全然読まないと怒られたし、逆に読みたい本が読み終えてないのに母親に申告しないで返却されてしまうこともあった。
そんなこんなで本はほとんど買ってもらったことがなかった。
私がどうしても欲しくて買ってくれ、と頼んで最初に買ってもらった本がこの本、
当時のベストセラーだ。「そのうちに図書館にはいるわよ」と母親に一度は却下されたが、どうしても自分の本棚に置いておきたかった。なぜだかは不明。
そういう本なのでやはり捨てられなくて今でもとってあって、久しぶりに開いてみたら、私の字で買った日と自分の名前が本を開けると書いてあった。(嬉しかったらしい。)昭和56年8月15日とある。
読み返してみると、黒柳徹子さんが、自分の小学校時代を思い出し、当時はこう思ったけど、大人になってから思うと、こうだったんだ。ということを書いた話だった。
きっと私が当時読んだ頃は、物語に登場するトットちゃん側の気持ちで読んだんだろうな。
独創的で素直で正直に行動するトットちゃん、普通の小学校では問題児で、物語の舞台になるトモエ学園に転校するのだが、ここはもうわくわくするくらいステキな学校だ。
戦争中なんて思えないくらい進んでて、子供がのびのびしてて、障害がある子も当然同じように生活していた。
当時私はこれを読んで何をどう感じたんだろうか。