蒼穹の昴 1〜4

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

時代背景とか人物、100%理解したかといわれればそうではないが、ドラマチックでわくわくしながら一気に読んだ。
漢字の名前、読みが中国語か日本語か、またニックネームだったり位で呼ばれたり、混乱しつつも(ロシア文学よりいいか)確認しながら読み進めた。
清の国は大きすぎて紫禁城と天津では別の国のよう。政治は紫禁城の中の世界で繰り広げられていると思いきや外交や産業の中心は天津でキリスト教の宣教師が美術や建築の技術を広めていたり。
NHKのドラマでは科挙をトップで合格して(清国的にはものすごいこと)将来を約束された梁文秀とその義兄弟の李春雲、占い師の予言を信じて宦官になり、西太后のそばに仕えるまでに出世するストーリがこころ踊る。黒牡丹から演劇を仕込まれるところが痛快。
小説ではもっと幅広く、同じ時期のヨーロッパの風景をちりばめながら大きなスケールで語られる。
浅田次郎の作品は結構好き(中国ものは初めて)でいろいろ読んだが、守備範囲広いなー、と思う。個人的には一番は「壬生義士伝」かな。それから「シエラザード」。